所長ブログ

2019 年 6 月 6 日

右脳思考

 成功した経営者に、「なぜ、このような意思決定をしたのか」と尋ねると、「勘です」とか「答えは誰もわからない」という回答をもらうことが多い。ロジックに加え感情や勘、すなわち『右脳』を働かせることで仕事をより効率的に進め、成果を上げられる。

                                    

1.人間を動かすのはそれが正しいか、間違っているか、あるいはやるべきかどうかという理屈、すなわちロジックではない。やりたいとか、面白そうだとか、やらないとまずいなといった気持ち、すなわち『感情』である

                                  

2.問題発見は右脳(観察・感じとる・勘を働かせる)が出発点→解決案は左脳(書き出す、検証、修正)で考える→決定し実行に移していくのは右脳(腹落ち、感情移入)中心

                                    

3.実行のコツは、感情に働きかけ、「エイヤー」で解決策の仮説を立ててみる

                                 

4.大半の意思決定は、ある側面ではA案がよいが、別の側面ではB案が良いといった、トレードオフがあるものだ。意思決定の最後の決め手は理屈より『勘』である。

                                  

5.物事を決めるにあたって、勘は重要であるが、自分の勘で考えた答えを別の切口から検証するプロセスがあると良い。

                                    

6.議論や商談を進めるにあたって、

 ステップ①左脳(論理的に)で文字通り何を言っているのか理解する

 ステップ②右脳(直観)で発言の「真の意図」をつかむ

 ステップ③右脳(直観)で何をどのように答えればよいか理解する

 ステップ④左脳で(論理的に)どのように伝えればよいかを考える

                                    

7.実際には、ひらめきや思いつきから出発したアイデアやイメージを理論的に検証できなければ成功は見込めない。

                                   

8.右脳を左脳でサポートする方法

 ①キーコンセプトから逆算してロジックを考える。

 ②ストーリーを創ってからロジックで細部を詰める

                                    

9.ロジックは完璧でも、心の底から納得する「腹落ち」がないと人は動かない。

                                  

10.人を動かすのは、①論理性 ②ストーリー ③ワクワク・どきどき、④自信・安心の4つの要素である。

                                    

11.反対の理由は右脳で探り、説得方法は左脳で考える

今月のお薦め図書 内田一成著 『右脳思考』 東洋経済

税理士 尾 中  寿

2019 年 3 月 8 日

「現場論」


 日本の企業は、あくまでも『体質』で勝負すべきだと思っています。中途半端に『体格』 を追求するのでなく、企業の『体質』を磨き、卓越した組織の力で世界と戦う。その企業の『体質』が最も顕著に表れるのが『現場』である。

1.現場とは、過去(これまで)と未来(これから)をつなぐ結節点(いま、ここ)である。

2.現場がすぐに動くなど、まるっきり思っていない。なかなか現場というところはすぐに動いてくれない。やっぱりそこには、『納得』が必要である。

3.『非凡な現場』をつくるためには、何のために、何にこだわって活動を行うのか、『合理的な必然性』と『合理的なしくみ』が必要である。

4.放っておいたら現場は、『腐る』。重大事故や深刻な品質問題、不祥事などを起こし企業の存亡の危機に追い込まれる。

5.現場の目的として、現場は価値創造を実行するために存在する。(価値創造主体)

6.価値創造に直接的に従事し、日々膨大な業務を遂行している。そこには、標準作業、標準コスト、標準納期など『標準』を明確に定めて明文化し、周知徹底させ、確実に実現できる能力を磨くことが大切だ。(業務遂行主体)そこには、「私にしかできない」「彼にしか任せられない」「これしかやらない」など仕事が属人化してはいけない。

7.現場の役割として、現場は、日々価値創造に必要な業務を日々遂行し、人材を育て鍛えるという『人材育成主体』の顔がある。

8.素晴らしい多くの戦略が失敗しているのは、組織として『戦略を実行する能力』に原因がある。実績を上げた経営者は『実行重視』で実行に大きなエネルギーを注いでいる。

9.『よりよくする』という日々『改善』する能力こそ、現場力という組織能力である。

『改善』によって生まれる差異は、『微差』である。しかし、競争という視点で見れば、『微差』は決定的な差になりえる。

10.『非凡な現場』は、日々の業務を遂行しながら、全く新しい価値を生み出す革新的な取り組みも行っている。これを『新しいものを生み出す能力』と言い、ヤマト運輸は、現場に耳を傾けることで新たな商品を次々と開発してきた。

11.現場の改善、革新を生み出そうとするなら、現場の自由度を高めることが必須だ。現場の権限、裁量権を高めることによって、現場の創造性は喚起される。ただし、そこには『規律の遵守』が存在する。

12.非凡な現場は、『知識創造主体』があり、現場で知識創造スパイラルが循環し、知識労働者が育成されている。

13.現場は、経営者の『映し鏡』である。経営者の姿勢と行動そのものである。その底辺にあるのは、経営者の『現場愛』である。

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今月のお薦め図書 遠藤功著 『現場論』 東洋経済段落

                          税理士 尾 中  寿

2019 年 2 月 5 日

顧客第2主義

顧客第一主義を掲げ、社員への配慮がほとんどない会社だった。社員が二の次で、顧客に気をとられ、誰が顧客にサービスするのかを経営陣が忘れていた。そんな状態で顧客に感動的なサービスを提供できるはずもなく、社員の士気や生産性が上がるはずもなかった。

1.顧客に最高のサービスを提供するためには社員を第一に考えなければならない。

2.顧客にサービスを提供するのは社員で、最高レベルのサービスは心から生まれる。だから、社員の心をつかむ会社が最高のサービスを提供する。

3.顧客よりも社員を大事にしろと言うのではない。顧客のために社員を重視しろと言っているのである。そうすればだれもが得をするからだ。

4.会社は社員を重視すると、社員は顧客へのサービスを重視する。利益は最終結果である。

5.他社より人柄の良い社員が揃えること。『人柄の良さ』は私たちの最優先順位の一つである。人柄の良い人は良い仕事をするからだ。思いやりのある人柄の良い人を探すこと。

6.会社の人材流失防止には、「社員満足度調査」で、退職リスク、キャリアへの興味、仕事と生活の問題、価値の適合とそのギャップを埋める評価分析をする。

7.社員がなぜ入社し、なぜ退職するのかその理由を知ることは、優秀な人材を確保し留めておくために欠かせない重要な情報である。

8.組織から傲慢な人間をなくす努力は重要だ。エゴの暴走を抑えることが重要だ。

9.適切な人材を賢く選ぶこと。退職が企業にもたらす感情的、経済的損失は大きい。サービスが滞り教育費が無駄になり、競争相手に有効な情報が流失するなど多くの弊害が生ずる。最初から適切な人材を見つけなければならない。

10.多様な人材を開拓すること。自分の業界や関連業界、従来の人材ソースに偏らないで、会社の視野と専門領域を広げ、良い人材を見つけるチャンスを増やす。

11.社員教育は、専門知識・技術だけでなく『態度』を教え、しかも長く継続すること。

12.会社に必要な教育資源に金も時間も充てること。

13.会社がどれだけ成功しているかは、社員がどれだけ楽しく働いているかで判断できる。

14.同僚や顧客のために尽くした社員を表彰する。

15.社員に感謝する特別行事として、「社員感謝月間」を設け、感謝し合い互いの仕事を認め合うためのイベントを考える。ポイントは、ただ「ありがとう」を言うこと。

16.チームワークが重要な役割を果たさなければならない。評価と報酬が必要なのは、誰が他人を助けているかを知るには、社員に他人を助けたことを聞いてもダメで、誰に助けられたかを聞くべきだ。

今月のお薦め図書 ハル・ローゼンブルース他著『顧客第2主義』SE翔泳社出版

                          税理士 尾 中  寿