所長ブログ

‘コラム’ カテゴリーのアーカイブ

「現場論」

2019 年 3 月 8 日 金曜日


 日本の企業は、あくまでも『体質』で勝負すべきだと思っています。中途半端に『体格』 を追求するのでなく、企業の『体質』を磨き、卓越した組織の力で世界と戦う。その企業の『体質』が最も顕著に表れるのが『現場』である。

1.現場とは、過去(これまで)と未来(これから)をつなぐ結節点(いま、ここ)である。

2.現場がすぐに動くなど、まるっきり思っていない。なかなか現場というところはすぐに動いてくれない。やっぱりそこには、『納得』が必要である。

3.『非凡な現場』をつくるためには、何のために、何にこだわって活動を行うのか、『合理的な必然性』と『合理的なしくみ』が必要である。

4.放っておいたら現場は、『腐る』。重大事故や深刻な品質問題、不祥事などを起こし企業の存亡の危機に追い込まれる。

5.現場の目的として、現場は価値創造を実行するために存在する。(価値創造主体)

6.価値創造に直接的に従事し、日々膨大な業務を遂行している。そこには、標準作業、標準コスト、標準納期など『標準』を明確に定めて明文化し、周知徹底させ、確実に実現できる能力を磨くことが大切だ。(業務遂行主体)そこには、「私にしかできない」「彼にしか任せられない」「これしかやらない」など仕事が属人化してはいけない。

7.現場の役割として、現場は、日々価値創造に必要な業務を日々遂行し、人材を育て鍛えるという『人材育成主体』の顔がある。

8.素晴らしい多くの戦略が失敗しているのは、組織として『戦略を実行する能力』に原因がある。実績を上げた経営者は『実行重視』で実行に大きなエネルギーを注いでいる。

9.『よりよくする』という日々『改善』する能力こそ、現場力という組織能力である。

『改善』によって生まれる差異は、『微差』である。しかし、競争という視点で見れば、『微差』は決定的な差になりえる。

10.『非凡な現場』は、日々の業務を遂行しながら、全く新しい価値を生み出す革新的な取り組みも行っている。これを『新しいものを生み出す能力』と言い、ヤマト運輸は、現場に耳を傾けることで新たな商品を次々と開発してきた。

11.現場の改善、革新を生み出そうとするなら、現場の自由度を高めることが必須だ。現場の権限、裁量権を高めることによって、現場の創造性は喚起される。ただし、そこには『規律の遵守』が存在する。

12.非凡な現場は、『知識創造主体』があり、現場で知識創造スパイラルが循環し、知識労働者が育成されている。

13.現場は、経営者の『映し鏡』である。経営者の姿勢と行動そのものである。その底辺にあるのは、経営者の『現場愛』である。

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今月のお薦め図書 遠藤功著 『現場論』 東洋経済段落

                          税理士 尾 中  寿

顧客第2主義

2019 年 2 月 5 日 火曜日

顧客第一主義を掲げ、社員への配慮がほとんどない会社だった。社員が二の次で、顧客に気をとられ、誰が顧客にサービスするのかを経営陣が忘れていた。そんな状態で顧客に感動的なサービスを提供できるはずもなく、社員の士気や生産性が上がるはずもなかった。

1.顧客に最高のサービスを提供するためには社員を第一に考えなければならない。

2.顧客にサービスを提供するのは社員で、最高レベルのサービスは心から生まれる。だから、社員の心をつかむ会社が最高のサービスを提供する。

3.顧客よりも社員を大事にしろと言うのではない。顧客のために社員を重視しろと言っているのである。そうすればだれもが得をするからだ。

4.会社は社員を重視すると、社員は顧客へのサービスを重視する。利益は最終結果である。

5.他社より人柄の良い社員が揃えること。『人柄の良さ』は私たちの最優先順位の一つである。人柄の良い人は良い仕事をするからだ。思いやりのある人柄の良い人を探すこと。

6.会社の人材流失防止には、「社員満足度調査」で、退職リスク、キャリアへの興味、仕事と生活の問題、価値の適合とそのギャップを埋める評価分析をする。

7.社員がなぜ入社し、なぜ退職するのかその理由を知ることは、優秀な人材を確保し留めておくために欠かせない重要な情報である。

8.組織から傲慢な人間をなくす努力は重要だ。エゴの暴走を抑えることが重要だ。

9.適切な人材を賢く選ぶこと。退職が企業にもたらす感情的、経済的損失は大きい。サービスが滞り教育費が無駄になり、競争相手に有効な情報が流失するなど多くの弊害が生ずる。最初から適切な人材を見つけなければならない。

10.多様な人材を開拓すること。自分の業界や関連業界、従来の人材ソースに偏らないで、会社の視野と専門領域を広げ、良い人材を見つけるチャンスを増やす。

11.社員教育は、専門知識・技術だけでなく『態度』を教え、しかも長く継続すること。

12.会社に必要な教育資源に金も時間も充てること。

13.会社がどれだけ成功しているかは、社員がどれだけ楽しく働いているかで判断できる。

14.同僚や顧客のために尽くした社員を表彰する。

15.社員に感謝する特別行事として、「社員感謝月間」を設け、感謝し合い互いの仕事を認め合うためのイベントを考える。ポイントは、ただ「ありがとう」を言うこと。

16.チームワークが重要な役割を果たさなければならない。評価と報酬が必要なのは、誰が他人を助けているかを知るには、社員に他人を助けたことを聞いてもダメで、誰に助けられたかを聞くべきだ。

今月のお薦め図書 ハル・ローゼンブルース他著『顧客第2主義』SE翔泳社出版

                          税理士 尾 中  寿

社長という病

2019 年 1 月 16 日 水曜日

社員も家族も知らない「社長の悩み」。誰にも相談できず、孤独の中で過ごす毎日。そうした中で「社長という病」は進行しています。仕事も順調満帆で、他人から見れば羨らやましむ生活と仕事振りでしたが、仕事が順調に伸びれば伸びるほど大きな不安に陥りました。

1.人生経営における病の根本的な原因は、『お金』です。事業を継続している限り、そのお金の悩みは永遠に続きます。借入金が出来れば解決すると思っていても、それは借りた時だけの一時しのぎにすぎません。

2.会社になにかあったら保険で解決するようにしている。これは、倒産保険ではなく、生命保険です。オレが死ねば会社は存続し、借金はチャラになる。これで誰にも迷惑をかけないですむ。それは、日本独特の金融制度のあり方にあります。

3.会社の借入金に対しては、必ず金融機関から「個人保証」を求められます。事業を失敗したら個人の財産のすべを差し出し、それで清算できない場合は自己破産となり、金融機関のブラックリストに載り二度と復活することが出来なくなるのです。

4.クラブや飲み屋に行けば、私は信用され、信頼されて多くの人が寄ってくると思っていました。しかし、それは、私の支払うお金に対しての信用や信頼であり、私自身への信頼ではありませんでした。

5.社長になると、自己中心的となり人が信用できなくなります。よいことは信用しますが、都合の悪いことを認めなくなるのです。そうなると、側近から必要とする情報が入らなくなり、組織が分裂し力をまとめることが出来なくなるのです。

6.社長と社員の間に隔たりがある時の解決方法は、経営をガラス張りにすることです。ガラス張りとは、ストレートに経営内容を知らせて社員を経営に参画させることです。

7.会社のために、社員のために、家族のために働き続ける社長。家族や社員に心配をかけたくない。解決方法はお金しかない。ならばより稼ぐしかない。が、そこには自分が望んでいる答えはありませんでした。

8.疲れ切った社長さんたちに必要なものは『希望』です。希望を手にするためには、「考え方を変える」ことが必要です。「こうしなければならない」という固定観念を捨て一切を否定しないで苦しい時ほど社員、家族、知人の『意見を聞く』ことです。

9.どのような状況になろうとも、人間には一つだけ自由が残されています。それは、どう行動するかです。人間が求めているのは、安全などではなく、目標に向かって努力し、苦闘することなのです。

10.新しい考え方。会社を大きくする必要はありません。売上追求主義をやめる。会社の目的は利益追求にあります。利益がなければ会社自体の存続が出来なくなるわけですから、赤字では成り立ちません。また、利益がなければ社会貢献など夢のまた夢です。

今月のお薦め図書 富樫康明著 『社長という病』WAVE出版

                         税理士 尾 中  寿