Loading

初体験

先週の日曜日、三十ン年生きてきて初めて、生で「能」と「狂言」を見る機会に恵まれました。

狂言は、俳優としてテレビに出ている人も多く(和泉〇彌とか。余談ですが、この人最近狂言やってんのかしら?)、「短くて滑稽なもの」というイメージがあるのでまだ親しみやすいですが、能となるとサッパリ。

「大丈夫かなあ?」と思いつつも、「せっかく日本人に生まれたからには、一回くらいは見ておくべきか」と、友人と二人で出掛けました。

演目は能「通盛」狂言「鬼瓦」能「楊貴妃」の三つでした。奈良金春会の定期公演です。

正直、内容はよくわからないところもあったのですが、本物の能舞台や、独特の登場、退場、囃子方の演奏や動きなど、見ていて興味深いところもたくさんありました。

個人的にとくに面白いなと思ったのが、小道具を運んだり、衣装替えの介添えをする「後見」の人でした。

歌舞伎や、ふつうの演劇では「黒子」と呼ばれる役割でしょうが、黒子なら黒い衣装で顔も見えない状態で登場し、役割が終わればすぐ引っ込むのに対し、能では囃子方と同じように袴姿で登場し、役割が終わっても舞台の一番奥(橋懸り近く)にじっと控えています。

つまりこの人はいないことになっているのですね。ここで「いるじゃない」などと言ってしまうのは「無粋」なんでしょうね。

そのほかにも、歌舞伎のように大がかりな舞台装置などはなく、あくまで小道具だけ、いらないものを極限までそぎ落としているので、見る方にも想像力が必要なんだなと感じました。この辺は落語も同じでしょうか。

時間も長いですし(全部終わるまで4時間)、途中で睡魔の洗礼も受けました・・・。

でもたまにはこういう時間に浸るのもいいものですね。

ちなみに能・歌舞伎・文楽はすべてユネスコの世界無形文化遺産に指定されていますが、この三つで共通して演じられている演目があるそうです。機会があれば制覇してみたいと思います。

PAGE TOP
PAGE TOP