今日、深刻な問題として会社の不祥事があります。有価証券報告書虚偽記載などの粉飾決算、リコール隠しや期限切れ原材料使用、役所への偽造書類の提 出等、日本の会社はいったいどうしてしまったのだろうか。そういう意味で今日、「会社の品格」という視点が重要視されてきている
- 会社は、誰のものか
会社は、株主のものであっても、会社の備品やデスクなどは株主のものではありません。実は、会社は、株主のものであるけれど、経営者や社員のものであるとい二重構造になっている。 - カイシャ君の行動を監視するためのルール強化
法令順守、企業の内部牽制の仕組み、不正行為を防止する機能、主に株主に代わって経営者を監視する内部統制、CSR・・・等ルールを整備することによってカイシャ君の行動を制御しようとすることが必要になってきている。 - 会社が、社会から信頼を獲得するには何が必要なのか
それは、「約束」と「実行」です。「会社は、こういう約束をきちんと守ります」「このルールを守っていきます」「財務上の不正は一切しません」そういうことを説明し、実行することが求められています。その前提となるのが「情報の開示」です。 - 社員こそが最大の投資家。選んでもらえない会社に未来はない
社員から選ばれる会社と優秀な社員が流出していく会社。どこの会社で何の仕事をするのかということが、働く個人にとって大きな「投資判断」になる時代が来た。 - 「会社の品格」を純粋に見極められるのは社員のみ
「時間投資家」である社員こそ、実は「会社の品格」を見極め、保ってゆく上で重要な役割を果たす。不祥事の殆どが内部告発であることを考えると、会社の品 格を保つ上で重要な役割を果たす社員に対し、社員への情報開示をすることで、おかしいものはおかしいと言える精神、仕組みが大切になってきている。
税理士 尾中 寿
今月のおすすめ図書 小笹芳央著 『会社の品格』 幻冬舎新書