賃金は、横並びでベースアップする時代から、賃上げ凍結もしくは賃下げの時代を経て、個別の企業業績や賃金政策をより強く反映させる段階に移行しつつあるようです。賃金制度が及ぼす影響で、特に中小企業が注意すべきこととして
①社員の採用と定着に与える影響
②社員の努力の方向性に与える影響
③人件費総額に与える影響
—-等が挙げられます。経営者は、これらの影響を慎重に見極めて賃金水準を検討しなければなりません。地域によっても異なりますが、中小企業の賃上げについて次のような予測が出ているので参考にして下さい。
<中小企業(従業員300人未満)の賃上げ率予測>(『企業実務』2008年3月号より) | ||
2008年(予測) | 2007年(実績) | |
全産業平均 | 1.50% | 1.55% |
農林水産業 | 1.45% | 1.27% |
建設業 | 1.18% | 1.46% |
製造業 | 1.58% | 1.68% |
情報通信業 | 2.14% | 1.96% |
運輸 | 1.54% | 0.83% |
卸売・小売業 | 1.53% | 1.55% |
金融・保険業、不動産業 | 1.92% | 1.85% |
飲食店、宿泊業 | 1.76% | 1.16% |
複合サービス業、サービス業 | 1.61% | 1.65% |
税理士 尾中 寿
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