今日、世の中は、世界的な不況で、国内においても暫くは、この状態が当たり前と思って経営、資金繰りを考えることが必要です。そんな状況の中で、活路を営業力に求めることは重要であると考えるのは当然です。今回ご紹介する営業TQM(総合品質管理)は、そんなヒントがあると思います。
- 一握りの優秀な営業マンに頼っていては高い営業生産性を維持することはできない。
全員が一定の能力を均質的に発揮する営業組織を持つことが、勝ち残る企業の条件。 - TQMとは、QCサークル等の小集団活動を通じて品質の維持・向上を目指す、全社的な品質管理運動のことである。
- 「守破離」の発想をベースに「型」を導入し、さらに進化させ独自の強みを持つ組織をつくることが大切。
「守」…一から十まで型通りに行うこと。
「破」…型を完全に身に付けたうえで、自分なりの創意工夫で型を破ること。
「雛」…延長線上で、独自の境地を切り開くこと。 - 個人プレーで行うのではなく、誰もが同じゴールを目指して、全員で自社の戦略上の鍵になる行動を遇直にやり続けることがポイント。
- 営業組織に科学的なアプローチ「科学の目」を取り入れることで競争優位を確立する。定量データや客観的な事実に基づき見逃していた問題点を発見してより説得力や納得感のある解決策を導き出し、より良い行動に向ける。
- 営業TQM(総合品質管理)のメリット
①個々の営業担当者の活動のバラツキをなくし、平均値を高める。
②「型」の導入によって継続的な質の向上に向けた創造性を誘発し、属人的な知恵を組織の知恵として蓄積し、共有化する。
③成果を最も持続的に向上させられる、「考え、行動し、変革し続ける営業組織」を作り上げる。 - 収益に最も貢献している商品を見抜く。
- 目標は、内向きであるよりも、外向きであることが望ましい。
- 「結果、数値目標」から「行動・プロセス管理」へ行動を変えて結果を導く。
一目で週次の行動を「見える化」する。 - 正しい行動のモノサシ、営業の価値をセットしPDCAサイクルで常にチェックする体制づくりを構築する。
税理士 尾中 寿
今月のお薦め図書 杉田浩章著 『思考する営業』 ダイヤモンド社