今日、100年に1回の世界大不況が続く中、経営者は厳しい選択を要求されます。そんな中、経営者は未来をいかに予測し先手を打ち優位な展開をするかは重要なことであると思います。今回、ご紹介する図書は参考になると思います。
1.第一の法則 世界は、あたかも螺旋階段を登るように、発展する。
- 社会は、この方向に向かうといった「方向的な予見」、「大局的な予見」はできる。
- 古いものが、新たな価値を伴って復活してくるプロセスがある。
インターネット革命は、「懐かしいビジネスモデル」を復活させる。 - Eメールは、「手紙」の文化を復活させる。
- インターネット革命は、「ボランティア経済」の文化を復活させる。
- 地球環境問題が、懐かしい「資源リサイクル」の文化を復活させる。
- 流通革命の合理化、効率化が進むと「個人主義」や「地域主義」に回帰してゆく。
- 「進化」の中で、「古いもの」が消えて行かず「新しいもの」と共存共生していく。
2.第二の法則 現在の「動き」は、必ず、将来、「反転」する。
- 「コスト・サービス」の競争は、必ず、「知識サービス」の競争へとリバウンドを起こす。
- 「価格競争」は、ある段階で、必ず「付加価値競争」に反転する。
- 「知識社会」において、「知識」が価値を失い、「智恵」が価値をもつようになる。
- 「ハイテク(最先端技術)」の動きは、「ハイタッチ(人間への優しさ)」へリバウンドする。
- 「顧客中心市場」では、否定された「新しい中間業者」の復活が起こる。
3.第三の法則 「量」が、一定の水準を超えると、「質」が劇的に変化する。
- 「シェア」が一定の水準を超えると、自然に「事実上の標準」が生まれる。
- 「コスト」が劇的に下がると、「ビジネスモデル」が進化する。
- 「コスト」が劇的に低下すると、「消費者の意識」が大きく変わる。
- 「消費者意識」が大きく変わると、市場が「顧客中心市場」に進化する。
4.第四の法則 対立し、競っているもの同士は、互いに、似てくる。
- 「営利企業」ち「非営利組織」は、互いに「社会貢献企業」へと進化する。
- 「資本主義」と「社会主義」は、相互浸透を通じて進化してきた。
5.第五の法則 「矛盾」とは、世界の発展の原動力である。
- 安い価格で商品を販売すれば、顧客に喜ばれ、社会に貢献することができるが、その結果、企業利益は小さくなる。逆に、独占的な市場では、高い価格で販売すれば大きな利益を得ることはできるが「反社会的なビジネス」との批判を受ける。
税理士 尾中 寿
今月のお薦め図書 田坂広志著 「未来を予見する5つの法則」光文社