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「現場論」


 日本の企業は、あくまでも『体質』で勝負すべきだと思っています。中途半端に『体格』 を追求するのでなく、企業の『体質』を磨き、卓越した組織の力で世界と戦う。その企業の『体質』が最も顕著に表れるのが『現場』である。

1.現場とは、過去(これまで)と未来(これから)をつなぐ結節点(いま、ここ)である。

2.現場がすぐに動くなど、まるっきり思っていない。なかなか現場というところはすぐに動いてくれない。やっぱりそこには、『納得』が必要である。

3.『非凡な現場』をつくるためには、何のために、何にこだわって活動を行うのか、『合理的な必然性』と『合理的なしくみ』が必要である。

4.放っておいたら現場は、『腐る』。重大事故や深刻な品質問題、不祥事などを起こし企業の存亡の危機に追い込まれる。

5.現場の目的として、現場は価値創造を実行するために存在する。(価値創造主体)

6.価値創造に直接的に従事し、日々膨大な業務を遂行している。そこには、標準作業、標準コスト、標準納期など『標準』を明確に定めて明文化し、周知徹底させ、確実に実現できる能力を磨くことが大切だ。(業務遂行主体)そこには、「私にしかできない」「彼にしか任せられない」「これしかやらない」など仕事が属人化してはいけない。

7.現場の役割として、現場は、日々価値創造に必要な業務を日々遂行し、人材を育て鍛えるという『人材育成主体』の顔がある。

8.素晴らしい多くの戦略が失敗しているのは、組織として『戦略を実行する能力』に原因がある。実績を上げた経営者は『実行重視』で実行に大きなエネルギーを注いでいる。

9.『よりよくする』という日々『改善』する能力こそ、現場力という組織能力である。

『改善』によって生まれる差異は、『微差』である。しかし、競争という視点で見れば、『微差』は決定的な差になりえる。

10.『非凡な現場』は、日々の業務を遂行しながら、全く新しい価値を生み出す革新的な取り組みも行っている。これを『新しいものを生み出す能力』と言い、ヤマト運輸は、現場に耳を傾けることで新たな商品を次々と開発してきた。

11.現場の改善、革新を生み出そうとするなら、現場の自由度を高めることが必須だ。現場の権限、裁量権を高めることによって、現場の創造性は喚起される。ただし、そこには『規律の遵守』が存在する。

12.非凡な現場は、『知識創造主体』があり、現場で知識創造スパイラルが循環し、知識労働者が育成されている。

13.現場は、経営者の『映し鏡』である。経営者の姿勢と行動そのものである。その底辺にあるのは、経営者の『現場愛』である。

今月のお薦め図書 遠藤功著 『現場論』 東洋経済段落

                          税理士 尾 中  寿

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