今月のお薦め図書 / 2026.6.17

アンリ・ジャールの経営物語

広瀬元義 著/プレジデント社

経営にも、習うべきセオリー──つまり「経営の法則」がある。手順や習慣を無視して自己流でやれば、会社が簡単に沈むのは間違いない。泳げない人が泳ごうと思ったら水泳教室に行く。なぜなら、溺れたら死ぬことを知っているからだ。

01

自立型経営とは、トップがすべてを指示し、社員が受け身で動く会社から脱却し、一人ひとりが自らの役割を理解し、主体的に判断し行動できる組織へと転換する経営のあり方である。

02

企業の利益の源泉は、設備や資本だけでは生まれない。社員一人ひとりが考え、工夫し、より良くしようとする文化を育てることが、利益を積み上げていく力となる。

03

事業構造を最適化し、自立する組織を作れば、組織は自ら成長する。社長の仕事は、この車をどう設計し、どう走らせるかを考えることだ。

04

MAPECエンジンを定義する。すべてを連動させて収益エンジンが回転し、利益を進化させる。

M:マーケティング
市場を見る力
A:アカウンティング
数字で意思決定する力
P:プロダクト
価値をつくり届ける力
E:エンプロイー
人を動かし巻き込む力
C:カスタマー
顧客とともに進化する力
05

営業は「売ること」しか考えていない。製造は「コスト」しか見ていない。経理は「現場」を知らず、現場は「数字」を知らない。このように分断された組織では、どんなに一部が優秀でも進化することはできない。

06

自立型経営は創造性を醸成する。「仕組み」のない組織は成長しない。

07

経営の成功法則は、「自立型経営」──つまり安心して創造性を発揮する組織である。まず重要なことは、「目的」が共有されていることだ。

08

成長から「進化」へ。成長は一本の線を前に延ばし続ける量的な拡大であり、進化はその線を飛び越え、軸を変え、枠を超え、構造そのものを組み替える発想である。

09

成長だけを追えば数字の膨張にとどまり、中身を伴わない危険がある。進化とは、環境に適応し、価値の構造そのものを変えていくことである。

10

経営において挑戦と同じくらい重要なのが「撤退」である。顧客価値を生まない事業は、素早く手放さなければならない。

今月のお薦め図書

アンリ・ジャールの経営物語

広瀬元義 著/プレジデント社

税理士 尾中 寿

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