相続税の計算方法

基礎控除から税額算出まで専門家がわかりやすく解説

相続税計算の基本

まずは基礎控除額を確認しましょう

基礎控除額の計算式

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

相続人1人の場合

3,600万円

相続人2人の場合

4,200万円

相続人3人の場合

4,800万円

※正味の遺産額(遺産総額から非課税財産・債務・葬式費用を差し引き、一定の贈与財産を加えた額)が基礎控除額以下の場合、相続税はかかりません。

相続税計算の5ステップ

正確な税額算出までの流れを詳しく解説

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遺産総額の算出

被相続人が所有していた全財産から、非課税財産(墓地・仏壇など。保険金・退職金は非課税限度額までの部分)を除いて合計します。このほか、相続時精算課税の適用を受けた贈与財産と、相続や遺贈で財産を取得した人が相続開始前の一定期間内(令和8年12月31日までの相続は3年以内、令和9年1月1日以後の相続から段階的に延び、令和13年1月1日以後の相続は7年以内)に受けた暦年課税の贈与財産は、贈与時の価額を「加算する贈与財産」として、手順3で加えます。

含まれる財産:

  • ・不動産(土地・建物)
  • ・現金・預貯金
  • ・有価証券(株式・投資信託等)
  • ・生命保険金(被相続人が保険料を負担していたもので、一定額を超える部分)
  • ・退職金(被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したもので、一定額を超える部分)
  • ・その他(自動車、骨董品、貴金属等)
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債務・葬式費用の控除

遺産総額から控除できる項目を差し引きます。

控除できる項目:

  • ・借入金・未払金
  • ・未払いの税金(所得税・固定資産税等)
  • ・葬式費用(通夜・告別式・火葬費用等)
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課税遺産総額の算出

遺産総額に加算する贈与財産を加え、債務・葬式費用を差し引いた額(正味の遺産額)から、基礎控除額を差し引きます。

課税遺産総額 = 遺産総額 + 加算する贈与財産 - 債務・葬式費用 - 基礎控除額

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相続税の総額を計算

法定相続分で按分し、税率表を適用して各人の税額を算出します。

※詳しい計算方法は下記の税率表をご参照ください。

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各相続人の納付税額を算出

実際の取得割合で按分し、各種控除を適用します。

主な控除:

  • ・配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分相当額のどちらか多い金額まで。申告期限までに分割された財産が対象です)
  • ・未成年者控除
  • ・障害者控除
  • ・相次相続控除

相続税の税率表

法定相続分に応ずる取得金額に応じて適用される税率

法定相続分に応じた取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% -
1,000万円超 〜 3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超 〜 5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超 〜 1億円以下 30% 700万円
1億円超 〜 2億円以下 40% 1,700万円
2億円超 〜 3億円以下 45% 2,700万円
3億円超 〜 6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

計算例

実際のケースで計算方法を確認しましょう

【ケース】遺産総額1億円、相続人は配偶者と子2人の計3人

前提条件

  • ・遺産総額:1億円
  • ・債務・葬式費用:500万円
  • ・相続人:配偶者、子2人(計3人)
  • ・法定相続分:配偶者1/2、子各1/4
  • ・加算する贈与財産:なし

計算過程

① 基礎控除額

3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

② 課税遺産総額

1億円 - 500万円 - 4,800万円 = 4,700万円

③ 法定相続分で按分

  • 配偶者:4,700万円 × 1/2 = 2,350万円
  • 子A:4,700万円 × 1/4 = 1,175万円
  • 子B:4,700万円 × 1/4 = 1,175万円

④ 各人の税額計算

  • 配偶者:2,350万円 × 15% - 50万円 = 302.5万円
  • 子A:1,175万円 × 15% - 50万円 = 126.25万円
  • 子B:1,175万円 × 15% - 50万円 = 126.25万円

⑤ 相続税の総額

302.5万円 + 126.25万円 + 126.25万円 = 555万円

相続税の総額:555万円

※実際の各人の納付額は、遺産分割の内容と各種控除の適用により変動します。

よくある質問

正味の遺産額が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合、申告が必要です。この判定は、小規模宅地等の特例などを適用しない場合の金額で行います。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用して税額が0円になる場合でも、これらの特例を受けるには申告が必要です。判断が難しい場合は、ご相談ください。

はい、被相続人が保険料を負担していた生命保険金は対象になります。ただし、相続人が受け取る場合は、「500万円 × 法定相続人の数」までは非課税です。例えば、相続人が3人の場合、1,500万円までは非課税となります。この非課税枠を超える部分が課税対象です。相続人以外の人や、相続を放棄した人が受け取った保険金には、非課税の適用がありません。

土地は路線価方式または倍率方式で評価し、建物は原則として固定資産税評価額を使用します。貸家は借家権割合と賃貸割合に応じて減額し、令和6年1月1日以後に取得した分譲マンション(居住用の区分所有財産)は、原則として建物と敷地の価額に区分所有補正率をかけて評価します。小規模宅地等の特例の要件を満たす場合は、限度面積までの部分の評価額が減額されます。減額の割合は、居住用が330㎡まで80%、貸付事業以外の事業用が400㎡まで80%、貸付事業用が200㎡まで50%です。取得する人ごとの要件があり、適用を受けるには申告書への記載と書類の添付が必要です。正確な評価には専門知識が必要ですので、税理士にご相談されることをお勧めします。

配偶者が実際に取得した財産(申告期限までに分割されたもの)の額が、1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、配偶者に相続税がかかりません(申告書の提出が必要です)。ただし、二次相続(配偶者が亡くなった際の相続)も考慮すると、必ずしも配偶者が全て相続するのが最善とは限りません。トータルでの税額を考慮した分割方法をご提案いたします。

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