今月のお薦め図書 / 2026.6.27
経営の赤信号
田辺昇一 著/東洋経済新報社
事業経営は予定ではなくて結果である。理論ではなくて実際である。そして、会社の倒産率は幼児の死亡率より高いと言われている。この倒れやすい会社を、常に繁栄させていくことは実にむずかしい。
勘定あって銭足らず(黒字倒産)、勘定足らず銭足らず(赤字倒産)。黒字であろうが赤字であろうが、資金繰りがまず問題であり、資金繰りが損益に優先する。
あなたの会社では、売上高に対して金利および手形割引料は何%か。メーカーであれば、3%なら普通、5%なら資金繰りが苦しく、7%なら賃金遅配が起こり、10%になれば銀行管理になると判断される。
3か月間の資金繰り表を作成しているか。作成なしは、そのこと自体が問題である。作成ありの場合は、翌月への繰越残が総収入の20%以上であるか、支払手形の決済が売上の60%(問屋)・40%(メーカー)以下であるかを検証すべし。
自己資本過小病——好況期には表面化しないから痛さを感じないが、不況になると疾病が露出する。借入依存度が高いため、金利・割引料で利益を食われてしまう。
固定資産過大病——無謀な設備投資は黒字倒産を招く。むやみに設備・人を増やすことは、疫病神を招くことになる。自己資本に対して固定資産が過大となり、規模・資本構成・経費等に不均衡を招き、資金繰りに重圧を与える。
棚卸資産過大病——棚卸資産は「借入金という名の資産」である。軽視されがちだが、その過大は資金繰りの窮迫を招き、やがて破産へと通じる。
大阪商人の商売繁盛のコツは、「始末、算用、才覚」である。地味に経費を切り詰め(始末し)、ソロバンをはじき(利益を考えて)、時代の流れを見抜くカン(才覚)で商売せよ。
売掛金過大病——無利子の金を借りるなら、買掛金の支払いを延ばすことである。相手にとっては売掛金が増大していき、資金繰りを圧迫する。売掛金管理は徹底すべし。
管理欠乏症——どんぶり勘定でカンの経営をしている。計数管理の三法として、①数字をにぎる ②数字をまとめる ③数字を利用する、の3段階を提唱している。標準(予算)と実績の差異は検討されているか。
いま、打つべき手は何か。
今月のお薦め図書
経営の赤信号
田辺昇一 著/東洋経済新報社
税理士 尾中 寿